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人材についての新聞記事で今の時代をみました・・・

5月10日の日本経済新聞 朝刊より抜粋!

現場発、「人財」潜在力どう生かす、ネット1000人調査(働くニホン)

◇新人社員、安定志向強く
いつまでこの会社に 「3年以上」88%
労働人口の減少、景気減速や資源高による経営環境の悪化――。二つの難題
に直面する日本。個人と組織がともに成長する仕組みづくりをどう進めるべ
きか。昨年十月に連載を始めた「働くニホン」の第四部では目の前にある多
彩な人的資源を意欲あふれる「人財」に育てあげる方策を探った。今年の新
入社員は、そして職場を支える中堅社員の働く意識は......。
「働くニホン」取材班が新入社員と迎え入れる上司・先輩社員合わせて一千
人強を対象に実施したネット調査によると、新入社員の九割近くが「今の会
社に三年以上勤めたい」と回答した。就職活動での売り手優位を反映して会
社への満足度も高く、安定志向を強めている。ただ上司・先輩社員の回答か
らは、新入社員を職場内訓練(OJT)で育てる余裕がない職場が増えてい
る実態も浮き彫りになった。
新入社員の八四%が「希望した会社に入社した」。入社後も「十分満足」
「やや満足」が計七五%、希望通りの会社に入るのが難しかった就職氷河期
とは様変わりだ。満足の理由(複数回答)は「社内の人間関係」(六八%)
が「自己のスキルアップ」「仕事の中身」を上回ってトップ。四割強が入社
後、働く意欲が高まったと回答した。
「今の会社で最低どれだけ働くか」は「三年以上」が計八八%。「定年まで」
も二三%いた。入社後三年間で三割が辞めるとされた大量離職時代に変化の
兆しが出てきたようだ。肩書への執着心は総じて薄い。将来就きたい役職は
「社長級」が一三%と「平社員」(二六%)の半数。「部長級」は二六%と
平社員並みだった。
今年の新入社員の多くは小学校入学の年に学校週五日制が始まった、いわゆ
る「ゆとり世代」。自己評価はどうか。「安定志向が強い」との回答は七割
強。ほぼ五割が「指示がないと仕事がしにくい」と考え、「順番をつけられ
ることや競争が嫌い」も四割いた。
上司や先輩は新入社員に対し、「素直」「勤勉」などと好意的な見方が多い。
半面、「コミュニケーションが下手」(二一%)、「熱意が感じられない」
(一五%)と辛口な評価もあった。
配属前の研修は長期化している。新入社員に期間を聞くと「一カ月程度」
「三カ月程度」「三カ月以上」が合わせて五割。「二年」という回答もあっ
た。長期化はOJTを通じて人材を育てる機能が低下しているためともいえ
る。上司・先輩社員に「若手を育てる余裕はあるか」と聞くと「ある」(四
一%)に対し、「ない」が三三%。帰属意識が薄れたためか「余裕はあるが
育てる気持ちがない」(八%)という人も合わせると、「ある」と同数にな
った。
◇中堅・若手 仕事の負荷「増えた」49%
アンケートでは職場の実情についても上司・先輩社員に聞いた。半年前と比
べて仕事の負荷が「増えた」という回答は四九%。「変わらない」(三七%)
を上回った。自身の働く意欲が「低下した」との回答が三六%と「向上した」
(一七%)のほぼ二倍。現場の徒労感が垣間見える。
企業業績の悪化に伴い、今後も楽観できそうにない。五七%が仕事の負荷が
「増える」とみている。それにもかかわらず所属部門の業績は「変わらない」
(四九%)ために、賃金も「変わらない」(四八%)。人員リストラの動き
が「増える」も四七%に達した。
"人財"の潜在力を十分に生かせるような雇用の枠組みを整えることも「働
くニホン」の課題だ。いくつかのケースを想定し、最近の雇用制度の変化を
振り返った。
想定ケース=都内在住の三十歳代の主婦 結婚で会社をやめて家事と子育て
に専念したが、もう一度働きたい。だが夫の帰りは連日深夜。家事や育児の
協力は望み薄だ。

パートの待遇改善を目指す改正パートタイム労働法が今春に施行され、同じ
働きに対する正社員とパートの処遇に差をつけることを禁止した。短時間の
勤務しかできない主婦にとってはプラスに作用する動きだ。
子育て中の女性には「マザーズハローワーク」が全国十二カ所にあり、専門
の職員が職探しの相談に乗るほか、授乳室などの施設もある。主婦の潜在能
力や経験を生かそうと、在宅勤務や短時間勤務の正社員制を取り入れる企業
も増えてきた。
人事管理が複雑になるなどの理由で主婦の労働力活用に慎重な経営者もなお
多い。政策面でも保育園の定員増など「仕事と家庭生活の両立」への環境づ
くりが重要だ。
想定ケース=二十歳代後半のフリーター 大学卒業後はアルバイトで生計を
立ててきたが、将来に不安を感じ、安定した正社員での就職を希望している。


政府は若者の正社員化を後押しするため、四月から「ジョブカード」制度を
開始。企業などで職業訓練を受けた人の履歴を公的に認証し、企業が採用の
際に能力を客観的に評価できるようにする。ハローワークでは東京都内の全
十七施設が三十五歳未満の若者専用相談コーナーを設けた。
一定期間、若者などに実際に働いてもらい、企業が正社員雇用をするかどう
かを判断する「トライアル雇用」も中小企業などで広がっている。
だが正社員採用を根本的に増やす制度改革には踏み込めていない。一例が
「解雇の金銭解決制度」だ。解雇に対する制約を緩めれば採用も柔軟になる
面があるが、労働組合などの反対論が非常に強い。
想定ケース=四十歳代の企業管理職 上司との関係に悩み、長時間労働で家
族との関係も疎遠に。自分の能力を発揮できる職場への転職を真剣に考えて
いる。


日本では終身雇用がなお主流。欧米のように総務、人事、開発など職種別の
転職市場がない日本では、三十五歳以上の転職は難しいといわれた。
ところが採用時の年齢差別を禁止する改正雇用対策法が昨年秋に施行された。
制度の抜け穴も多いとされるが、年齢で採否を判断する慣行には変化の兆し
がある。
人材関連企業は転職志望者向けに職業訓練などをする事業に力を入れる。職
歴を積んだミドルを「即戦力」に迎える新興企業などもある。
地方自治体の多くでは地元出身者の「Uターン就職」を積極的に売り込み、
大都市圏で就職相談会を開く例も増えている。ただ転職ができても給与など
の待遇が下がる可能性もある。
「会社の繁栄は人材にかかっている」と強調する伊藤忠商事の丹羽宇一郎会
長に若手育成法を聞いた。


私は最近の若手を「伝書バト世代」と呼んでいる。自ら考えることをせず、
言われたことを単に伝えるだけ。ひどくなると「飛んでいけ」と言われるま
でじっとしたまま指示待ちの姿勢だ。それなのに自負心は強い。少子化やゆ
とり教育のせいか、競争意欲に乏しく、北風に当たったこともないのに自分
はよくやっていると思っている。
会社に入ったら、自分の力を自分で評価してはいけない。学生時代は点数化
できる知識の量で評価されるが、会社は社員の能力のうち数値で測れない部
分をじっと観察しているということを覚えておいてほしい。
評価するのは未知の世界に挑戦する情熱、逆境での競争力があるか。さらに
相手の立場や社会的な視点から物事を考えられる良識と常識を持っているか
だ。必要とされている、頼りにされているという実感こそが働きがいにつな
がる。
リーダーとしての資質は仕事でしか磨くことができない。うちの会社は入社
したら完全なゼロからのスタート。平等に機会を与え、だれにも平安な道を
用意するつもりはない。厳しく、かつ戦略的に鍛え上げる。
まず入社して十年間は泥のように働いてもらう。はい上がる気力や苦しい時
に周囲を思いやる気持ちを育てるには、どん底に突き落とすしかない。入社
四年までに全員を海外に研修に出す。海外の若者がどれだけハングリーに働
いているかを見てきてほしい。
毎日深夜まで会社にいろとは言わない。本を読み、人と会い、ものを考える
ことで知的能力を再生産する努力を続けることだ。大変ですよ。ついて来ら
れない社員が出ても仕方ない。
次の十年間は徹底的に勉強させる。経営の環境は刻々と変わる。現場で感じ
た疑問を勉強で解消し、学んだことを現場で検証する。昨年から新任課長を
対象に海外のビジネススクールに短期間通わせている。二十年目以降は本物
のリーダーとして人間性そのものに磨きをかけさせる。本気で人材を育てる
つもりなら、十年単位の時間と費用をかける必要がある。経営者にとって最
大の仕事だ。
昨年10月以降の「働くニホン」連載に並行した一連のアンケート調査では、
現場の実態や働き方についての声も集まった。一部を紹介する。
【現場のホンネ】
外資系企業に勤め、月100時間の残業は当たり前。「終電で帰れるとうれ
しい」と真顔で言って家族に変な顔をされた(男性、38歳)
40代以降は何かで飛び抜けないと働くチャンスがない。「この仕事にいく
ら」で年齢は関係なくしてはどうか(女性、35歳)
会社が50歳定年制を導入して給与は3割減った。再雇用の60歳以降は1
年単位のパートで時給885円。仕事ができるほうが低賃金とは憤慨だ(男
性、59歳)
プレーヤーとマネジャーの能力は全く別。管理する人=偉いという図式は時
代錯誤だ(男性、30歳)
非正規社員でも個人の潜在力は十分にあり、どう生かすかを考えるべきだ。
優秀で有望な人材が集まらないと会社は衰退する(男性、30歳)
【新入社員の声】
会社説明会にいた社員と実際の売り場の社員の意欲にギャップがある(女性、
22歳)
先輩は優しいし職場の雰囲気も良い。ただ先輩たちはいつも残業をしている。
私も仕事を覚えたら残業ばかりなのかと心配だ(女性、22歳)
実際に入社してみて分かることが多い。3年で新卒の3割が仕事をやめるこ
とは理解できる。自分もステップアップのためと考えている(男性、23歳)
悪い人が全然いないので驚いている。大半の社員が同族経営の弊害を感じて
いるらしいが、誰も意見しないのは不思議だ(女性、24歳)
まだ研修中。大学で研究している雰囲気で座学などをしている。早く実際に
配属されたい(男性、24歳)
◇ハングリーさ新人に感じられず
リンクアンドモチベーションの小笹芳央社長の話 新入社員の意識は就職活
動中の人材需給に影響を受ける。入社した会社に三年以上勤めようと思って
いる新入社員が九割近くいるのは数年前の就職氷河期時代との大きな違いだ
ろう。当時の新入社員が「企業に入って自分をどう磨くか」と考えていたよ
うなハングリーさは感じない。あまりチヤホヤしすぎると使いづらい人材に
なってしまう恐れもある。昇進をぶら下げても労働意欲につながらないので、
企業は注意が必要だ。
ただ学生優位にも変調の兆しが見える。これから二、三年は人件費を中心に
コスト削減に動く企業が出てくるだろう。人材を採りすぎたり、減らしすぎ
たりと過剰に振れる企業が多い。中長期的に見れば過剰な振れはコスト増要
因だし、最終的には人材に選ばれない企業になるという視点を持っておくべ
きだ。
▼調査の概要 新入社員と迎え入れる上司・先輩社員のそれぞれ五百十五人
を対象にインターネットを通じて四月二十三、二十四日に実施した。新入社
員は事務・営業系が五四%、技術系が四〇%。業種では流通・サービス業が
三二%と最も多い。上司・先輩の役職は一般社員七七%、課長級八%など。
アンケートの詳細は日経ネットPLUS(http://netplus.nikkei.co.jp)に
掲載。

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